半径1.5メートルの世界

書くことがあれば更新・・・を心掛けたい今日この頃。

こころ を読んでみて

 あ、決して読心術が使えるとかじゃないです。

 エスパー違うよ。

 

 現在、現代文の授業で夏目漱石の「こころ」を、生徒がグループでまとめて疑似授業(と、いえばそれっぽい?)をしています。そこで、自分がその授業中に思ったことをまとめてみようかと!

 

まず、教科書に載っている部分のうち、下巻の、Kが先生の下宿に来てしばらくした辺りの所からを使っています。(下巻では先生は「私」ですがその方がしっくりくるのでここでは先生で統一します )

 教科書に載っている部分は、上巻の少しと、下巻の途中からですが、なんだか皆、最初の方は読んでいないらしい・・・(;゜Д゜)それどころか、自分の担当する所しか読んでない人も居るようで。発表中に、前後との関連付けをして質問すると、発表者から、「え~、そこ読んでなーい(笑)」みたいな言葉が聞こえてくる事も・・・( ´_ゝ`)

 原作全部読んでこい、とは言いませんが(結構長いと感じる人が多いらしい)、せめて教科書に載っている部分だけでも読んできていて欲しいなぁ( ´_ゝ`)

 

 次に、分からない単語は調べるように言われているのですが、それでも単語の意味を理解していなくて全く違った解釈を発表している人もいました。しかも、「自分の担当じゃない所は読んでない」派が多いため、その間違った解釈を鵜呑みにしてしまう人がいっぱい・・・(・д・ = ・д・)外国語でなければ、古典に出てくるようなややこしい今じゃ使わない言葉ではないんです、現代文のテキストに出てくる、今でも十分に使われる言葉なんです。しかも、調べるように言われているのです。

 それくらいはちゃんとやってくれよ( ´_ゝ`)

 

 あとは結構驚いたのは、クラスに、Kが可哀想で、先生が裏切り者の悪い奴、な解釈をする人が多いこと。自分と、こころを読んだ友人は、そうでもないのですが、何故かどこの班も、先生は裏切り者!と言うので不思議です。

 先生本人は、罪悪感を感じていますし、それは先生の良心から見て「親友を裏切ってしまった」と思い込んだからです。しかし、実際は、先生はKに恋心を打ち明けようとしました、が、K本人が先生の恋そのものを全否定して言えなかったのですから、全面的に先生が悪いわけじゃない。

 それに先生はKを出し抜いた!ひどい!と、言われても、最初の方のお嬢さん(上巻での奥さん)と先生とのイチャイチャ具合等を見ていたら、遅かれ早かれ同じ展開になっていたでしょうし、奥さん(お嬢さんのお母さん)がKとの結婚はまず許さないでしょうし、そうでもないと思えるんじゃないかと。

 そもそも、Kの恋が成就する可能性ってどれだけあったのでしょうか。お嬢さんがよっぽどKの事が好きで、「駆け落ちでも心中でもやってやる!お母さんなんて関係ない!」と、声高に叫んでくれるような女性なら可能性あるでしょうが。

 

 そして、Kは自分の理想を取るか、恋心を取るかで迷っています。先生はお嬢さんに恋する前のKに戻ってもらいたいとも思っています。ここで、先生がお嬢さんとくっつけば、恋は成就、Kは元に戻り、ついでに奥さんもきっと喜ぶ。そう思ったのかもしれません。だってそれが一番先生にとって幸せである可能性が高いじゃないですか。

 人間不信な先生にとって、信じられる人間は、ほとんどKとお嬢さんと奥さんだけです。そんな中、Kが今までの自分を捨てて、先生にとって都合の悪い変化をしようとしている。そんな時、大抵の人間ならそんな変化は望ましくないから止めたいと思うはずです。たった一人の友人が、自分の知らない人に変わったら、とても嫌ではないでしょうか。

 先生は、お嬢さんもKも、と欲張ってしまっただけじゃないでしょうか。

 最終的には、Kが自殺してしまうことで、先生の心を一番陣取っているのがKになってしまったのですが。

 

 うーむ、教科書には森鴎外の「舞姫」も載っているので、そっちも授業でやってほしいです。「こころ」は、恋か友情かで、恋を取った話、「舞姫」は、恋か仕事かで、仕事を取った話、周りの反応が楽しみです。

 

 さて、今日のクリスマスソング(`・ω・´)


初音ミクのオリジナル曲 白夜のイヴを越えて -Full ver.- - YouTube

  人とは、エゴなのですな( ´_ゝ`)

 

 それでは(^^)ノシ